(取材日=2011年8月23日)

いくら仲のいい兄弟とはいえ、ふたりが生きるのは勝負の世界。
そこには双子ならではの葛藤があるはずです。
今回は、そんなふたりにしかわからない、
ジョッキーとしての強みと弱みをお聞きしつつ、
それぞれが目指すジョッキー像に迫ります。

 
──
兄弟ジョッキーはほかにもいらっしゃいますが、
現役の双子ジョッキーはおふたりだけ。
やはりそこには、年の違う兄弟とはまた別の
感情があるのではないかと思いますが、お互いの存在はライバルですか?
それともやっぱり身内?
恭介
どちらの感情もありますね。
たとえば、同じレースに乗っていて、
前のほうで優作が競り合っていたりしたら、
優作に勝ってほしいと思います。
ただ、僕と同じような位置にいたら、当然、負けたくない。
優作
僕も同じで、自分が勝てないんだったら、恭介に勝ってほしい。
逆に、恭介から乗り替わった馬とかは、
恭介よりいい競馬をしたいってすごく思います。
──
双子ならではのプラス点、マイナス点は?
 
恭介
僕が思うマイナス点は、
一緒にいることですね。
ひとりで関西にいたころに比べて、やっぱり乗り数が減ったので。
僕と優作がいるということは、
同じDNAを持つ人間がふたりいるっていうことですよね。
それで、最初は優作が3キロ減で、僕が1キロ減。
となれば、やっぱり優作のほうに馬が集まりますから。
まぁ、勝負の世界なので、仕方がないことなんですけど。
 
優作
僕は逆に、恭介が頑張っていたからこそ、
厩舎の方たちが「じゃあ優作も乗せてみるか」
っていう感じで声を掛けていただいてるので。
だから今は、プラスの点しかないですね。
恭介
でもやっぱり、
同じDNAならではの武器はあると思います。
全部が全部同じではないですけど、やはり体型もほとんど同じなので、
馬の乗り方ひとつをとっても、自分のフォームと比較できますし。
優作のフォームを見て、自分には何が足りないのか、
僕よりどこがいいのかとか、参考にできますし。
個々のいいところを伸ばしていきたいとは思いますけど、
やっぱりベースは同じですからね。
優作
僕はそもそも、恭介が活躍していなかったら、
栗東に来ようっていう気にならなかったかもしれない。
でもこれからは、お互いに頼りすぎずにやっていきたいと思ってます。
身内が同じ世界にいることは、心強い半面、
弱みになってしまう可能性もあるので。
──
そうかもしれませんね。
ただ、やはりDNAのなせる業なのか、
調教師の先生にすごく可愛がられてる点では、共通していますよね。
野村厩舎など、おふたりを重用されてますし。
 
恭介
ホントに良くしていただいてます。ありがたいです。
優作
野村先生は、すごく厳しい先生だって周りの方からは聞くんですけど、
すごく優しくしていただいていて。
恭介
正直、なんでこんなに乗せていただけるんだろう…
って思うこともあります。
優作
領家先生にも、すごく良くしていただいてます。
去年の暮れの福島開催のときに、何度か乗せていただいたんですけど、
そのなかに、休み明けで2着にきた馬がいたんです。
その時点で先生とそれほど面識があったわけではないんですけど、
今年に入って 「あの馬は能力があるから、
お前、勝つまで乗せてやるよ」
って言ってくださって。
正直、「領家先生、こんな僕に何を言ってるんだ!?」って、
うれしいより先にビックリしたんです。
恭介
性格的に、僕より優作のほうが
可愛がられると思います(笑)。
優作
僕は人には好かれたいから、確かに愛嬌を振りまいてます(笑)。
恭介は…、頑固なところがあるからね。
恭介
えっ!? 僕より優作のほうが、よっぽど頑固だと思うけど。
一度言い出したら、絶対に曲げないし。
優作
そうかな(笑)。
関西では、自分が明るくしていると、
周りのみなさんも明るく接してくださるんですよね。
ホントに今、楽しいです。
恭介
そうですね。
僕が乗れてない時期でも応援してくださる方とかもいて。
すごく温かみを感じます。

 
──
先輩たちとの交流はありますか?
恭介
2つ上の先輩たちと仲良くさせていただいてます。
──
騎乗に関して、何かアドバイスを求めたり?
優作
そういうことに関しては、どの先輩というより、
わからないことがあれば、
その場にいる先輩方にすぐに聞くようにしてます。
時間を置くより、すぐに聞いたほうが絶対にいいと思いますし。
みなさん、教えてくださいますから。
恭介
教えてもらうことも大事だと思いますけど、
僕は自分で経験するほうが
大事だと思ってます。
僕は、一度聞いてしまったら、その観念で物事を見てしまうので…。
──
そういえば恭介さんは、不調だったという春も中央で頑張ってましたよね。
「怒られながらも、よく頑張ってる」って、
ほめていらした先輩がいましたよ。
優作さんも、ずっと中央で騎乗されてましたよね。
 
恭介
たくさん怒られましたけど、
やっぱり怒られないとわからないこともあって。
僕は、厳しく言っていただいたほうがいいタイプなんだと思うんです。
たぶん、ほめられても全然伸びない(笑)。
減量がもうすく取れるんですけど、ローカルでクリアするのと、
中央場所でクリアするのとでは、
その後の自信が違ってくるかなと思ったのもあって。
全然勝たせてもらえませんでしたけど…、
自分のためになったんじゃないかと思います。
優作
僕の場合は、若手の多くがローカルに行くので、
中央のほうが逆に乗り馬が集まったんです。
それに、 同じ1勝なら、
中央場所で勝ちたいという気持ちが強くて。
──
おふたりともガッツがありますね。
優作
迷った時期もありましたけどね…。
恭介
僕も…。ホントに全然勝てませんでしたから。
でもやっぱり、先々を考えて乗っていきたいと思って。
優作
恭介は「乗せてもらえるうちは、中央場所で」って言ってたよね。
恭介
うん。勝てない時期も、乗せていただける限りは、
ここ(中央)で頑張りたいと思ったんです。
──
お互いに、「ここだけは負けない!」と思うのは、どんなところですか?
 
恭介
気持ち…ですかね、今は。
競馬に乗るからには、
どんな馬でも、どんなレースでも勝ちたいと思います。
その気持ちだけは負けたくないです。
それは、 優作にというより、
すべてのジョッキーに負けたくないです。
優作
僕も同じです。
馬に跨ったら、つねにこの馬が一番だと思ってますし、
あとは走ってくれるのは馬なので、
馬を信じる気持ちを大切にしていきたい。
──
今期で減量が終わりますから、
ジョッキーとして、これからが本番ですね。
今後、どんなジョッキーを目指しますか?
恭介
どんな馬でも乗りこなせるジョッキーになりたいです。
癖のある馬でも、平気で乗ってこられるような。
優作
そうですね。
癖があったり、力の足りない馬に乗ったときこそ、
自分の技術が発揮できると思うので。
そういう部分を補えるような騎乗ができるようになりたいです。
あと、今の段階では、
少しでも先輩たちの技術を盗むというか習得して、
外国人ジョッキーがきても負けないジョッキーになりたい。
それから、 自分にしかない
〝なにか〟を見つけたいですね。
恭介
うん、 僕も自分だけの〝なにか〟を見つけたい。
優作
個性がないと、目立てない世界ですからね。
なにかしら、個性と呼べるものを見つけたいと思っています。
 

個性を見つけたい──双子であるがゆえ、より一層の目標かもしれませんね。
とはいえ、今回のインタビューからも伝わると思いますが、
おふたりとも十分に〝個性〟があります。
次回は、さらにその個性が明らかになる、国分兄弟の一問二問をお届けします!

(第4回へ続く)


優作&恭介 国分ツインズWインタビュー

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