岩田康誠と福永祐一。

刺激し合いながらリーディング争いを繰り広げる2人。
彼等は年末の大一番・有馬記念にも騎乗を予定している。

片や、岩田が乗る予定なのは勿論ブエナビスタ。
ジャパンCを勝ったコンビは、当然有馬記念でも有力となるだろう。

此方、福永の騎乗予定馬はトゥザグローリー。
ブエナの勝ったジャパンCでは11着。
まだGIのタイトルもなく、
こちらはあくまでも“挑む”立場ではないだろうか。

岩田がブエナの背中に跨ったのは今年のヴィクトリアマイルから。
そのレースと宝塚記念で2着に敗れると続く天皇賞(秋)では4着。
4度目の騎乗となった前走ジャパンCで「やっと結果を出せた」(岩田)

「これだけ良い馬にも関わらずなかなか結果に結びつけることが出来ず、
 ジョッキーとして辛かったし、関係者の皆さんには申し訳ないと思っていました。
 ジャパンCという大舞台で、なんとか勝つことが出来て本当に良かったです」

世界の一流馬を粉砕した直後、岩田は真剣な表情を崩さぬまま、そう言った。

対する福永はトゥザグローリーに早い段階で一度跨っている。
デビュー2戦目の500万条件。
それが福永とトゥザが初めてコンビを組んだレース。
「素質の高さを感じた」という走りであっさり勝った。

その後、しばらく別々の道を歩んだ彼等が
再びパートナー同士となったのは今春の日経賞。
ここも快勝してみせたが、続く天皇賞(春)では再びコンビ解消。
宝塚記念から三度、共に闘うことになったが、
そこで13着に敗れると天皇賞(秋)が5着、
そして、先述した通り先のジャパンCでは11着に敗れている。

ジャパンCのブエナに関し、岩田は言った。

「返し馬から良い雰囲気でした。
 スローな流れの中、好位のインをうまく追走できたと思います。
 直線の手応えも最高で、外に切り返す時も上手に馬群を割れました」

そして、ゴール前に関しては「ブエナが1番強いという思いで追った」と続けた。

また、有馬記念での抱負を問うと、次のように答えた。

「素直で乗り易いし、現在の最強馬だと思います。
 有馬ではもっと良いパフォーマンスをみせられるような気がします」

ジャパンCのトゥザに関し、福永は言った。

「インで前を壁にして追走したかったけど、その位置を他の馬にとられてしまいました。
 そのため、道中は前に壁が作れませんでした。ペースが遅かったのでそのあたりは誤算でした。
 決して下手に乗ったわけではないけど、うまく乗ることが出来なかったという感じです」

それでも直線、一度は先頭に踊り出ようかというシーンを演出してみせた。
それについては……。

「能力が高いからそういうシーンも作れました。
 でも、最後に全く伸びなかったのは、この馬本来の力とは言えません」

「3歳だった昨年でも3着していたように、通用する力があるのは間違いありません。
 ここ三走、僕は結果を出せていないので、『今回がラストチャンス』という強い気持ちで臨みます」

岩田康誠と福永祐一。

有馬記念が終わった時、2人はそれぞれ自分の騎乗に対しどんな評価を下すだろう。
いや、本当の評価は決して自分で下すものではないのかもしれない。
世間が、そして、結果が彼等に対してつきつけるものかもしれない。

岩田康誠と福永祐一。

2人は、そんな評価をどう受け止めるだろう。
どんな結果であれ、おそらく真摯にその結果を、その評価を受け止めるのではないだろうか。

万事軽便になっていく傾向の競馬の世界で、2人の態度をみていると、
こういう気質も大切だと痛感させられる。

有馬記念での2人の手綱捌きに、今一度注目してみたい。

(文中敬称略)

平松さとしがみた岩田康誠vs福永祐一『Coming the next generation』

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