藤岡佑介騎手インタビュー『新生・藤岡佑介』

(取材日=2012年5月23日)

──
昨年の不振の理由は、ほとんどがメンタル的なことだったのですね。
佑介
そうですね。
技術的なことは、大きなケガをしない限り、
マイナスになることはほとんどないと思うんです。
いかに自分の経験やパフォーマンスを出せる精神状態であるか、
それに尽きます。
──
悩んでいるときに、誰かに相談はしましたか?
佑介
ありがたいことに、
周りには質問すればアドバイスをしてくださる先輩方がたくさんいます。
これまでは相談したこともありましたが、去年のことに関しては、
内面のことなので(人から)見えにくいことですし、
アドバイスをいただいても、やっぱり自分自身で
どこが悪いかがわからない限り、突破できないと思ったんです。
人に助けを求めないで、
何とか自分で解決しないといけないなと。
──
さまざまなことがあって、スランプを克服しつつある時に、
ヒラボクキングで平安S(GIII)を勝ちました。
1月に重賞を勝てたのは、大きな自信になったのでは?
佑介
やっぱり、重賞は注目度が違いますからね。
積極的な競馬をしたことで、活路を見いだせましたし、
自信を深めましたよね。今年はイケるなって。
──
そのヒラボクキングですが、平安S後は爪不安でフェブラリーSを回避し、
5月の東海S(15着)で復帰しました。
今後の可能性はいかがですか?
佑介
フェブラリーSは回避しましたけど、
僕自身は平安Sを勝った時点で、JCダートの舞台のほうが
力を発揮できるタイプだと思っていたので、悲観はしていませんでした。
東海Sも久々でしたし、着順通りの実力ではないです。
ちょっと爪が弱いので、夏を上手く乗り切ってくれれば、
秋は十分チャンスがあると思っています。
何といっても、平安Sでエスポワールシチーを負かしていますからね。
──
そして、3、4月は重賞で大活躍でした(11鞍騎乗中、3勝2着2回)。
とくにワンカラットで勝ったオーシャンS(GIII)では、
ゴール前でガッツポーズをされていました。
26戦中23回騎乗されている馬で、
しかも管理しているのがお父様である藤岡健一調教師です。
やはり、いつも以上にうれしかったのではないですか?
佑介
本当にうれしかったですね。
みなさんもそうだと思うんですけど、
僕自身、もうピークを過ぎているんじゃないかと思っていたんです。
そういったもどかしさがあったなかでのオーシャンSだったので。
しかも、信じきれなかったとか、疑って乗ったのではなく、
返し馬で確かな手応えがあって、今日はチャンスだと。
何とか
ここで一発決めてやりたいと思って
挑んだ競馬でしたから。
──
道中は内でジッと我慢していて、
直線は前が開くのか、ハラハラしませんでしたか?
佑介
(リズムが)いい時はあそこで前が開くんですよ。
それに、直線で前を割ったのが勝因ではないですから。
あのポジションにいたのは偶然ではなく、
4角で狭いところをこじ開けていって、自分で進路取りにいった結果なので。
去年の自分だったら、
間違いなく勝っていなかったでしょうね。
──
積極的な競馬ができたわけですね。
佑介
攻めたいと思っていたし、実際に勝ちに行く競馬ができたと思います。
だから、本当に良かったというか、うれしかったですね。
結果的にワンカラットとの最後のレースでしたし。
(※ワンカラットは次走の高松宮記念に出走予定も、直前に左前脚の不安を発症して引退)
──
ヒラボクキングもフェブラリーSを回避しましたし、
高松宮記念でもワンカラットが回避。
今年は、チャンスのある馬でのGI回避が多いですね。
佑介
うーん、確かに回避は続きましたけど、
そこで無理をして、馬がケガするよりは断然良いです。
とくにワンカラットは繁殖入りという先がありましたからね。
もちろん、前走で重賞を勝っているわけですから、
GIでもチャンスはあると思っていましたよ。
ただ、気持ちが沈んでいない時は、
そういうことが続いても、マイナスの気持ちにはならないですよね。
──
そのプラス思考が良い方向に出ていますよね。
クィーンズバーンとの阪神牝馬S(GII)でも
積極的な競馬で逃げ切り勝ちを決めましたし。
しかも、平安S、オーシャンS、阪神牝馬Sと、
いずれも人気薄の馬を導いたというのがすごく価値があると思うのですが。
佑介
まぁ、
本当は人気で勝つのが一番いいんですけどね。 だから、まだまだですよ。
ただ、条件戦の頃から、
"いずれ重賞でもやれるだろうな"と期待を持っていた馬で、
重賞を勝てたのは本当にうれしい。
それに "重賞を勝てる器"だと感じる、
自分の感覚的なものも少し精度が上がってきたのかなという気もしますね。
 
(第3回へ続く)

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