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「人気で勝たないといけない」とおっしゃいましたが、
そういった意味では、1番人気のオールザットジャズで勝った
福島牝馬S(GIII)は会心だったんじゃないですか?
- 佑介
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正直、あのレースは勝って当然だと思っていました。
その通りに強かったですよね。
福島競馬場の内覧会に行った時に
「福島牝馬Sは勝ちにきますから」と宣言していたので、
勝てて良かったです(笑)。
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初騎乗だった中山牝馬S(GIII)では後方からの競馬でした。
福島牝馬Sは、レース前から前々で強気な競馬をするつもりだったんですか?
- 佑介
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ゲートさえ出れば、とは思っていましたね。
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オールザットジャズの能力は相当なモノがあるのでしょうか?
- 佑介
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初めて乗った時から、“この馬はスゴイ”と感じていましたから。
それにレースセンスの高さもあるので、
そういったところも、福島のみなさんに見せたかったですしね。
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それだけに、ヴィクトリアマイルは余計に悔しかったですね。
- 佑介
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きちんと、マイルに向けて準備をしていっての結果でしたし、
距離適性も、こちらがどうにかしようと思っても限界がありますからね。
レース運びにしても、後ろで競馬をしたのは、
自分で判断したことなので後悔はないです。
あそこで無理をさせたら勝ちはないと思ったし、
腹をくくって後ろから行った結果がダメだっただけで、
「あ~、あそこでこうしておけばよかった」というのはないんですよね。
だから、今まで人気馬に乗って負けたGIとは全然違うんですよ。
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迷いはなかったし、その決断は間違っていなかったと。
- 佑介
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そうですね。
今までは「何で負けたんだろう」
「どうしてこうしなかったんだろう」という後悔ばかりで、
レースが終わるとウジウジしていました。
だけど、今はそれがない。
自分で決断したことですし、足りなかったんだったら、
もっと頑張ればいいだけなんで。
ただ、それは普段、自分がやっているものに自信がないと、
そう思えないじゃないですか。
自分がやってきたものに対して自信がなければ、
悪い方に考えてしまいますから。
その時の決断が良いか悪いかは別として、
自分で決断したのだから、間違っていなかったと今は思えます。
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そのヴィクトリアマイルでは結果が出ませんでしたが、
1年ぶりの福島開催での最初の重賞・福島牝馬Sで鮮やかに勝ちました。
実際に福島で乗られて、ファンの様子はいかがでしたか?
- 佑介
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やっぱり、福島のお客さんはアツいです。
勝利インタビューでも言ったのですが、歓声を聞きながら走っていたので、
お客さんの「福島に競馬が帰ってきた!」という思いをひしひしと感じました。
そういうのもあって、ヴィクトリアマイルは頑張りたかったんですけどね…。
福島の重賞を勝った馬がGIで勝てば、最高だろうなって。
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福島を盛り上げるためにも、
競馬界全体を盛り上げていかないといけないと思うのですが、
最近の競馬離れについてどう思われていますか?
- 佑介
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キャリアを積んできて、今思うことは、
やっぱり競馬の魅力が薄れてきているんじゃないかと思うんです。
何をしても馬券が売れる時代ではなくなって、
競馬人気がピークの時に、そういう振る舞いをしてきたツケが、
今こういう現状になってしまっているんじゃないかと。
かといって、人気がピークの時は、
僕自身も若かったですし、何もできなかったと思うんですよ。
だから、自分たちで何かができる現在、
ジョッキーをしているといことを、すごく幸せだと感じています。
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具体的には何をしたいと考えていますか?
- 佑介
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競馬の魅力が一番伝わりにくい原因は、
競技人口が少ないことだと思っているんです。
実際に競馬に乗ったことがないから、
何が良かったのか、何がいけなかったかがわかりにくい。
そのあたりが野球とサッカーとは違いますよね。
野球やサッカーは実際にプレイしたことがあるから、プロのスゴさがわかる。
それがメジャースポーツの強みです。
だから、そういった競馬の魅力がわかったうえで、
競馬を観てくれる人が増えたらいいなと思いますね。
まぁ、そうは言っても、実際に誰もが競馬に乗ることは難しいですよね。
だから、
僕たちジョッキーが、わかりやすく
伝えていくことが大事だと思っています。
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それで、昨年の1月からブログを始めたわけですね。
実際にご自身が制裁を受けた時に、なぜ制裁を受けたのか、
なぜそうなってしまったのかを詳しく書いていますよね。
- 佑介
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そういったことがわからないと、
納得できないで競馬をやめてしまう人もいるでしょうし、
逆に(制裁などの)理由がわかれば、
その次から競馬の見方が変わる人もいると思うんです。
僕はそういった人が1人でも増えてくれたらいいなと思って。
本当は雑誌の連載などのお話もいただいたのですが、
人に書いてもらったら、本当に自分が伝えたいことと、
微妙にズレてしまうこともあるじゃないかと。
やっぱり
自分で書かないと、
きちんと伝えられないと思って、
ブログにこだわったんです。
ただ、たくさんの人に伝えたいなら、
僕自身が結果を出して、注目してもらわないといけないですよね。
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その注目されるために、具体的な今年の目標はありますか?
- 佑介
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秋に大きなタイトルを目指せる馬たちと、
もう1回コンビを組ませてもらえるように、
夏にしっかりと準備をして、スキルアップしたいと考えています。
そして、それが秋に実ればいいですね。
あとは、リーディング争いも一極化してきているので、
もっと貪欲に取りにいきたいです。
来年、騎手生活10年目を迎える藤岡佑介騎手。
本人自身、“これくらいのポジションでいいか”と思った時期もあったという。
しかし、それでは成長もなく、落ちていく一方だということを昨年に経験した。
これではいけない、もう一度奮起して、上を目指すと決意した今年。
例年以上に、レース中の存在感が増したと感じるのは筆者だけだろうか。
新生・藤岡佑介。今夏はもちろん、秋の大一番での活躍を期待したい。
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(次回は、藤岡佑介インタビューの「こぼれ話」。彼のプライベートに迫ります!)