(取材日=2012年6月21日)
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今日はよろしくお願いします。
この夏は、おふたりとも海外に挑戦するということで、
それに向けての抱負などいろいろお聞きしていきたいのですが、
その前に、それぞれ大きなプレッシャーを背負ったであろう春競馬について、
まずは振り返っていただきたいと思います。
川田さんは、騎乗停止になった岩田さんの代打でオークスに挑まれました。
ジェンティルドンナの騎乗依頼があったとき、率直にどう思われましたか?
- 川田
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ウソだ!と思いました。ホントに
冗談だと思ったんですよ。
日曜日に関係者の方から聞いて、その夜、
四位さんと祐一さんとご飯に行く予定だったんですよね。
- 福永
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そうそう。
- 川田
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でも、冗談だと思ったから、
『(四位さんと祐一さんに)話しちゃダメですよね?』
って聞いたら、『いいよ』って。
それで初めて、本当に乗せてもらえるんだなと。
- 福永
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レース前に、岩田くんともいろいろ話をしたんでしょ?
- 川田
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はい。
本当に事細かに、1から10まで教えてもらいました。
- 福永
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そのあたり、岩田くんのいいところだよね。
自分以外のジョッキーが乗って、“勝たれたくない”って思わない人だから。
- 川田
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そうですよね。
岩田さんは“この馬に勝ってもらいたい”と思える人ですよね
- 福永
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でも、将雅の騎乗ぶりを見て、
大したもんやなと思ったよ。
ああいう状況で、なかなか思ったような結果を出せるものじゃないからね。
- 川田
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僕は、1から10まで岩田さんに言われた通りに乗っただけですから。
- 福永
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新聞とかでは『肝の座った騎乗』って評価されてたけど、自分ではどう思う?
- 川田
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岩田さんからお話を聞いていなかったら、
まったく違う乗り方を選択していたかもしれませんが、
いろんな話をさせてもらったなかで
理想的な展開になってくれたので、
たしかに道中、多くのことを考える必要はなかった
ですね。
- 福永
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将雅にとって、大きな経験だったよな。
- 川田
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はい。
あれだけの馬で、GIを勝ち負けしたことはありませんでしたからね。
ああいう馬でのGIの勝ち方を知っている先輩から勝ち方を教えてもらって、
言われた通りに乗ってきて、結果を出すことができて。
強い馬での強い勝ち方を知ることができたのは、
すごくいい経験になりました。
本当にありがたいと思っています。
- 福永
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巡ってきたチャンスをちゃんと生かしたんだから、大したもんやで。
- 川田
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乗せていただけたのはもちろんすごくありがたいんですが、
逆に言えば僕にオークスでの騎乗馬がいなかったことが情けなくて。
その事実は悔しいですね。
乗る馬がいなかったから乗せていただけたわけで、
結果的には良かったんですけどね。
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福永さんにとっても、“ダービー1番人気”は初めての経験でしたよね。
普段、緊張することがないという福永さんでも、今回はさすがに…。
- 福永
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うん、緊張感のある1週間やったね。
その緊張感に飲まれることなく、
いいコンディションで騎乗することができたし。
結果を出せなかったことは本当に申し訳ないけど、
自分にとっては大きな経験になったね。
- 川田
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祐一さんは、緊張感とかを表に出しませんよね。
逆にまわりの僕らが、変に気を遣ってしまったくらい。
いつも通りに接しようと思う反面、ちょっと様子をうかがいながら、
くだらんことでも言ってみようかなと思う自分もいたりして(笑)。
祐一さんは、緊張感を表に出さないように
意識してるんですか? それとも自然体?
- 福永
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意識しているわけじゃないよ。
キングヘイローのダービーで大きな失敗をしてるんでね。
あの経験が生きているというか、
緊張してもいいことないなってわかってるから。
その教訓が生きてるんだと思う。
いいのか悪いのかわからないけど、
この春もゾワゾワとした緊張感があったのはダービーとドバイだけかな。
その緊張感を持ったまま、
パフォーマンスの質を落とさずに乗ることが
テーマだったんだけど、それができたので。
いい経験をさせてもらったと思う。
そういう緊張感は、持とうと思って持てるものじゃないからね。
- 川田
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そうですよね。
僕の場合は、(オークスで)もっと緊張するのかなと思ってたんですけど、
ジェンティルドンナのような馬に乗れることが楽しくなっている自分がいて。
桜花賞馬でオークスに挑むという責任に対して、
ああ、ひとつ仕事ができたなっていうホッとした思いが大きかったですね。
そういう気持ちを味わえたこと自体が、貴重な経験だったと思います。
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(第2回へ続く)