(取材日=2012年6月21日)

──
宝塚記念終了時点で、福永さんは全国リーディング1位、川田さんは6位。
上位争いをするなかで、今年海外に行こうと決めたのはなぜですか?
福永
今年たまたま、そういう話があったからですよ。
川田
僕の場合は、去年初めて年間100勝に届いて。
リーディングも、それまで経験したことない
3位という位置までいけたんですけど、
祐一さんと岩田さんには大きく水をあけられたじゃないですか。
そんななかで、少しでも早く追いつくためには、
何か変化が必要なのかなと思ったんです。
技術的にも精神的にも、
ジョッキーとしてもう一段階上にいくためには、
いい機会なんじゃないかと思えたので。
──
福永さんは、リーディングを獲ることに対して、
今年はそれほどこだわりがないということですか?
福永
去年ほどはないね。その去年にしても、
(地方での勝ち鞍もカウントされるJRA賞では)最多勝も最多賞金も岩田くんだったから、
正直、リーディングを獲ったっていう感じはないけどね。
でも、なんていうか、自分のなかで優先順位ってあるでしょ?
今年はその優先順位が、
リーディングを獲ることよりも、
海外に挑戦したいっていう気持ちのほうが上だった
っていうことやね。
──
これまでおふたりを見てきて、海外に挑戦することに対しては、
あまり乗り気じゃないような印象を受けていたのですが、
やはり実績や経験を積むなかで、気持ちが変わってきたということですか?
福永
これまでは、海外でやれる自信がないのに行っても…
っていう気持ちがあったので。
ある程度、自分に自信を持った状態で行きたかった。
今だったら、ある程度やれるんじゃないか
っていう気持ちがある
し、そんななかでお話をいただけたので、タイミングが良かったですよね。
川田
僕も、去年までは
まったく海外に挑戦しようっていう気持ちになれませんでしたね。
実際、何度もお話をいただいて、そのたびにお断りしてましたから。
僕の場合、自分の立場が確立されていないなかで日本を空ければ、
淘汰されてしまうんじゃないかと思ったし、
乗せていただいていた馬たちが、
ほかのジョッキーに流れてしまうこともありますよね。
そんな状況で、1カ月、2カ月海外に…という気持ちにはなれませんでした。
でも、今年の春にまたお話をいただいたときには、
いい機会かなぁと思えたので。
それで、いろいろと準備をしている最中に、
祐一さんがアメリカに行くみたいだっていう話をチラッと聞いたんです。
そういえば、なんでアメリカだったんですか?
福永
あくまで自分のなかの“海外でもやれる”っていう手応えが重要だったから、
場所は全然こだわってなかった。 たまたまアメリカからそういう話があったというだけで、
フランスでもイギリスでも競馬先進国であれば、どこでも良かった。
将雅はなんでフランスにしたの?
川田
僕も全然、場所にはこだわりはなくて。 いただいたお話が、
たまたまフランスだったというだけです。
アメリカはどちらかといえばスピード競馬で、
よりスマートなイメージがありますが、
ヨーロッパは芝丈が長かったりして、
力のいる競馬っていう感じがするじゃないですか。
僕の長所を伸ばしたり、あるいは足りない部分を補っていくには、
いい環境なんじゃないかと今は思ってます。
福永
将雅が行くって聞いたときは、
子供が産まれたばかりなのに、なぜこのタイミング?
って思ったけどね(笑)。
でもまぁ、1カ月だもんね。
川田
僕、子育てに関しては、ほとんど何もしてないので(笑)。
妻が一生懸命頑張ってくれているので、その点は安心してるんですけど。
──
大急ぎで英会話のレッスンをされたそうですね。
川田
僕、全然英語が話せないので…。
福永
キミが行くとこはフランスやけどね(笑)。
──
祐一さんはもちろん、
川田さんも海外のジョッキーとは積極的に交流してるじゃないですか。
川田
いや、僕から積極的に交流してるというよりも、
向こうからグイグイこられているだけで…(笑)。
フランス語に関しては、まったく理解できません。
とはいえ、英語も競馬の専門用語をチラッと聞いて、
なんとなくイメージを膨らませるだけで…。
あとはもう、まったく理解できない(苦笑)。
 
(第3回へ続く)

福永祐一×川田将雅『自分への挑戦』

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