(取材日=2012年6月21日)

──
福永さんは、以前から英会話の勉強をされていましたよね。
もうペラペラとか。
福永
誰がペラペラや(笑)。
でもまぁ、日常会話には困らないかな。
それにアメリカの人って、こっちが英語を話せなくても、
頑張ってコミュニケーションを取ろうとしてくれるから。
その点、ヨーロッパはきついかもしれないね。
川田
そうですよねぇ…。
日常会話どころか、『トイレはどこですか?』くらいしか話せない僕が、
はたして生活していけるのかどうか…。
競馬以前に、僕、
ちゃんと生きて帰って来られるのかなって(笑)。
福永
そういえば、今から
ホームシックになるんじゃないかって心配してるんだって?
川田
あ、はい…(笑)。
福永
そんなに寂しい?
ゲームを持って行けよ。
川田
僕、ゲームしないですし…。
もし取材とか来てくださるなら、みなさん日程をうまいことズラして、
被らないようにしていただけないかと(笑)。
福永
ああ、つねに誰かしらいるように(笑)。
川田
祐一さんは、コーディネーターの方がいらっしゃるんですよね?
福永
うん。でも、日本のトップジョッキーが来たからって、
どんどん乗せてくれるっていう感じではないよ。
住むところも決まってないし、
西海岸で乗れなかったら東海岸に行くかもしれへんし、
とにかくすべてが流動的で。
──
じゃあ、まずはホテル住まい?
福永
そう。だって料理作れないもん(笑)。
観光したいとも思わないし、
そもそもそんな時間があるのかどうかもわからない。
ホントにすべてが流動的で、
戦略の立てようがないんだよね。
川田
僕もホテル住まいです。で、同じくなにも決まってないです。
とにかく、日本と比べて良くも悪くもルーズな国らしいので、
それにイライラするのか、ただただ疎外感を感じて寂しくなるのか…(笑)。
──
たしかに福永さんは、たとえ連絡がなくても
“なんとかやってるだろうな”って思えるような気がしますが、
川田さんは、大丈夫かな…って思ってしまうかも。
川田
でしょう(笑)。
僕、21歳のときに手を骨折して、休んでいる間に
オーストラリアのメルボルンCを観に行ったことがあるんです。
2週間くらい一人でいたんですけど、その間、
外でご飯を食べたのは一度だけでした(笑)。
福永
えっ!? あとはどうしてたの?
川田
スーパーに行って、ササミとパンとキャベツとか買って、
細々と食べてました…(笑)。
唯一の外食もマックで。そのマックで心が折れたんですよね。
福永
なんで、なんで?
川田
圧迫感というか、アウェイ感が半端じゃなくて(笑)。
僕の3倍も4倍も大きい人たちがいっぱいいるんですもん。
祐一さんは不安じゃないんですか?
福永
ん~、治安の悪いところに行かないようにさえすれば大丈夫かなって。
あとは自分でレンタカーを借りて…。
川田
自分で運転するつもりなんですか!?
福永
するよ。車がなかったら不便やん。
先週、下見に行ったとき、助手席に乗ってずっと外を見てたけど、
そんなに難しそうじゃなかったよ。
川田
いつも思いますけど、 祐一さん、めっちゃ前向きですよね!
福永
まあね(笑)。
──
ところで、おふたりとも、なにか目標は立ててますか?
川田
とくにないです。
少しでも多く競馬に乗りたいっていう気持ちはもちろんありますけど、
その結果、なにか得られるのかもわからないですし、
実際、どんな競馬なのかもわからない。
でも、なにかをつかめればいいなとは思いますね。
福永
俺も目標はないな。
あくまでも可能性を確かめに行くだけ。
アメリカっていう場所でどれだけやれるのか、
2カ月いれば、ある程度はわかると思うので。
それを確かめるための2012年の夏ですよ。
手応えを得られれば、
いずれはどこかにもっと長期で行きたいっていう目標はあるけどね。
海外でジョッキー生活を送りたいなんて思ってないけど、
向こうのほうがレベルが高いのは確かだから。
技術探究心を満たしに行くっていう感じかな。
川田
これまでパパッときた外国人ジョッキーに、
ポンポン勝たれてきたじゃないですか。
正直、“誰!?”っていうようなジョッキーでも、
日本に来る前からGIの騎乗馬が決まっていたりとか。
悔しいけど、それは僕らより魅力があるからですよね。
だから、
僕らのほうが
より魅力的だと思ってもらえるようになる
ためには、日本でずっと乗っているだけではダメなのかなと。
自分がどう変われるかのか、わからないですけどね。
──
とにかく、たくさんのレースに乗れればいいですね。
川田
そうですね。いい馬に乗れればいいですね。
福永
乗れるわけないやろ(笑)。
走らない馬ばかりでも、そこから始めなければ仕方がない。
日本でだって、最初はそうだったんだから。
川田
たしかにそうですね。
福永
大事なのは、
力の足りない馬でいかに見せ場を作って、
もっといい馬に乗せたいと思わせるかどうかやろ。
川田
かっこいい!
福永
初めて行くんだから、そりゃそうだろ。
むしろ、いきなりいい馬に乗せてもらえるほうが“なんで?”って思うわ。
──
今日はありがとうございました。
おふたりとも、慣れない地でいろいろご苦労もあるかと思いますが、
くれぐれも体に気を付けて頑張ってきてくださいね。
川田
はい。頑張ります!
福永
いい報告ができるようにしたいね。

福永祐一×川田将雅『自分への挑戦』

ジョッキーインタビュー!CLUB GRIP トップへ戻る