(取材日=2012年9月19日)

──
夏の間は、岩田さんは新潟が中心で、浜中さんは小倉で騎乗されていましたね。
週末は、しばしのお別れでしたが。
岩田
携帯電話があるやん!
競馬が終わるとすぐに『お疲れ~!』
って電話してたよな。
浜中
僕からかけることもありましたけど、
8対2くらいで岩田さんからかかってきた(笑)。
競馬の後は、調整ルームに戻ってお風呂に入るんです。
で、お風呂から出て携帯を見ると、岩田さんからの着信履歴が(笑)。
岩田
そう、まだ競馬場にいる間にかける(笑)。
早くしゃべりたくて。
浜中
だいたい『ハイ、お疲れ~!』から始まるんですよね。
岩田
小倉で何頭も1番人気に乗って、勝てへんときの
お前の落ち込みようがおもしろくて(笑)。
さすがに映像を見る余裕はなかったけど、
レース結果の資料は逐一見てたからな。
夏の間、同じ場所で乗ったのは2回くらいやったけど、
それ以外の週末は、毎週電話したなぁ。
浜中
電話はもう、週末の決まり事みたいな感じでしたよね。
とはいえ、お互い通いだったので、平日は栗東で顔を合わせるんですけど(笑)。
──
まるで恋人同士のよう…(苦笑)。
浜中
逆に、岩田さんが人気馬で負けたときは、僕から
『今日はお疲れ様でしたぁ~!』って、わざと明るい声で電話してました。
ちょっとした仕返しです(笑)。
岩田
でもホントに今、おもしろいよ。
祐一くんもそうやし、浜もそうやし、
競り合って成長していける相手がいるっていうのは、ホントにおもしろい。
俺は今、浜より上に行かなアカンと思うし、
引っ張っていかなきゃいけないと思っている。
浜中
今は全力で戦うだけです。
何を言われようが、やっぱりレースに勝ちたいですからね。
それに、「自分より下手なのに、こいつ勝ってるな」ってまわりに思われても、
自分はまだ仕方のないぐらいの存在だと思ってますから。
岩田
それにしても、これだけ勝っているわけやから、
まわりも認めざるを得ないところはあると思うよ。
浜中
僕は、岩田さんという存在にすごく感謝してるんです。
いいものはいい、ダメなものはダメって、
言うべきことをスパン!と指摘してもらえるので。
僕は、うまく濁して言う人よりも、
ストレートに言ってもらえたほうがいいんです。
岩田さんは、競馬に関してはシビアですけど、
それだけ真剣にとらえてくれている。
プライベートでも、僕は後輩なのに、
逆に気を遣わせてしまってるんじゃないか…って思うほど、
いろいろしてくださいますから。
本来は僕ら若手から、先輩に近づこうと努力すべきなのに。
岩田
俺は、競馬でもプライベートでも、
年なんて関係ないと思ってるよ。
騎手対騎手なんやから。
それに、若い子が何を考えて、何をしているのか興味もあるしね。
俺は四位さんが好きで、もっと近づきたいんやけど…。
俺はそういうキャラじゃないねんな。
そういえばこの夏、新潟に行って、すごく競馬を満喫したんやけど、
関東の若手と交流が持てたのはよかったね。
最初、向こうは嫌がってたけど(笑)。
最後は、向こうから俺のところにくるようになって。
浜中
え~と、嫌がっていることがわかってたんですか?
岩田
わかるもなにも、朝の3時4時に叩き起こしてたからね。
それって、ほとんど嫌がらせやん(笑)。
浜中
たとえば誰ですか?
岩田
杉原、嶋田、山崎とか。
でも、レースのこととか、いろいろ話せて。すごくおもしろかったよ。
浜中
僕ら若手からしてみれば、
自分からきてくれる岩田さんのような存在は、
すごくありがたいんですよ。
そんな先輩、そうそういませんからね。
さっきも言いましたけど、本来、自分に興味を持ってほしいと思えば、
自分からくっついていくくらいじゃないとダメだと思うんです。
そういう意味でも、岩田さんの存在は、すごく大きいんですよ。
 
(第3回へ続く)

岩田康誠×浜中俊『世代を超えた“同志”の競馬談義』

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