(取材日=2012年10月24日)
今年の札幌記念をフミノイマージンとのコンビで勝利した太宰啓介騎手。
満を持して挑む11月11日のエリザベス女王杯(GI)への意気込みのほか、
2007年に亡くなられた父・太宰義人調教師との思い出、
さらには同期・池添謙一騎手、義父・安藤光彰元騎手のエピソードを語ってもらいます!
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初めてフミノイマージンに跨ったのはいつごろですか?
- 太宰
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初めてコンビを組んだのが2戦目の未勝利戦でしたから、
その週の調教ですね。
いい雰囲気だったので、レースでも楽しみだなと思いましたよ。
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その初コンビとなったレースでは、直線で狭いところを割っての勝利でした。
実際に乗られての印象はいかがでしたか?
- 太宰
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思った以上に厳しいレースでしたね。
2戦目の牝馬で、あの狭いところを割って勝ったので、いい根性をしているなと思いました。
もちろん、将来性も感じました。
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普段のフミノイマージンは、どんな性格ですか?
- 太宰
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普段はね…、気が強くて、ちょっと触れないんですよ。
飛びかかってくるので(笑)。
- 太宰
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噛みついてくるんですよ。
レースになると、乗りやすいんですけどね。
普段は厩務員さんしか触ることができません(苦笑)。
まぁ、その気の強さが、
レースで良いほうに出ているんでしょうけど。
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初コンビから2年が経って、
5歳の時(11年)に、福島牝馬Sで念願の重賞を制覇を果たしました。
その前の3戦は違う騎手が騎乗されていて、4カ月ぶりの騎乗だったわけですが、
何か成長を感じられましたか?
- 太宰
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3歳の頃から能力はあったのですが、トモがゆるくて、
レースを使うとすぐにダメージが出るタイプでした。
それが去年の福島牝馬Sあたりから、馬が本格化しましたね。
あと、前走の
中山牝馬Sで脚質転換したのも
大きかったと思います。
小林(徹弥)さんが乗って後方からの競馬をされたんですが、
それがハマりましたね。
正直、あそこまでいい脚を使えるとは思いませんでした。
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その福島牝馬Sは太宰騎手にとって112戦目での重賞初勝利だったわけですが、
勝った瞬間のお気持ちはいかがでしたか?
- 太宰
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ホッとしたのが一番でした。随分とかかりましたよね(苦笑)。
正直、もっと早く勝てると思っていましたし、
それまでもチャンスのある馬にたくさん乗せていただいていましたから。
本当にやっとって感じでした。
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その後はマーメイドS、愛知杯も勝ちました。
この頃から、フミノイマージンの鞍上といえば太宰騎手
というイメージが定着したと思います。
その矢先のヴィクトリアマイルでの乗り替わり…。
実際、あの時はどういうお気持ちだったんですか?
- 太宰
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正直、悔しかったです。
ただ、それまでの何戦かは僕のミスで負けていたので、
申し訳ないという気持ちもありましたね。
いつかまた戻ってくればいいな、
その時の為にも頑張ろうと思っていました。
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そのヴィクトリアマイル、次のクイーンSも太宰騎手ではありませんでしたが、
札幌記念で再びコンビを組むことになります。
プレッシャーはありましたか?
- 太宰
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「結果を出さないといけない」
という思いはありましたね。
それと同時に、また乗れるうれしさもありました。
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その札幌記念はダークシャドウやヒルノダムールなど強力なメンバーが相手でした。
いい勝負ができると思っていましたか?
- 太宰
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厩務員さんから具合がいいと聞いていましたし、
不利を受けないように、スムーズな競馬をすれば…とは思っていました。
- 太宰
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そうですね。
ゲートを出てから位置取りを決めようと思っていたんですが、
最初のコーナーで結構ゴチャついていたので、
これぐらいの位置(後方12番手)でいいかなと思いました。
直線が短いので、3コーナー過ぎから早めに動いていったんですが、
愛知杯(小倉)でも同じような競馬をして勝っていたので、
大丈夫だろうと。
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札幌記念は本当に強かったですよね。
太宰騎手から見て、フミノイマージンの長所はどこだと思いますか?
- 太宰
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反応がすごく良いことと、いい脚を持続できることですね。
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3歳時に1年の休養はありますが、
それ以外はコンスタントに使われて、京都大賞典では27戦目でした。
普通の牝馬だったら、能力に陰りを見せ始めてもおかしくないのに、
フミノイマージンはどんどん強くなっているように思えます。
- 太宰
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厩務員さんがずっと手をかけてくれているので、
調子が落ちても、すぐに具合を戻してくれるんですよ。
デビューしたての頃はすぐに馬体重が減っていたのが、
今ではそんな心配もありませんからね。
本当に馬がしっかりしましたよね。
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秋初戦は当初、府中牝馬Sを予定していましたが、京都大賞典に変更になりました。
- 太宰
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レース前は、本番が次なので東京に輸送して競馬をするよりは、
近場で、それも同じようなコースで競馬ができるのはいいと思っていましたね。
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その京都大賞典では1番人気を背負って4着でした。
- 太宰
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4コーナーまでは理想通りの競馬だったんですが、
そこから内の馬にぶつけられたり、外からマークされたりで、
厳しいレースになりました。
ただ、結果的に負けましたけど、次につながる競馬だったと思います。
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去年もエリザベス女王杯に出走していますが、8着でした。
敗因を挙げるとしたらどこだったのでしょうか?
- 太宰
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(勝ち馬の)スノーフェアリーの真後ろにいたんですが、
その時はだいぶ内側が悪くて、結構ノメッていたんです。
勝った馬は内を突いていったんですけど、
僕が馬を信じられなくて、外にいってしまった。
勝ち馬の後ろについていったら、
もっといい勝負ができたかもしれない…
という思いはありますね。
男馬並の根性がある馬なので、
本当にどこからでも競馬ができますから。
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太宰騎手の生涯重賞勝利数は4勝です。
そのすべてがフミノイマージンとのコンビですが、相棒に教えられたことはありますか?
- 太宰
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馬を信用して乗るってことでしょうか。
人間が慌ててもいいことはない。
重賞をひとつ勝ったことで、人間にも余裕が出てきました。
あとは自分が自信を持って乗るだけです。
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では、最後にエリザベス女王杯に向けての意気込みをお願いします。
- 太宰
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おそらく人気になると思いますし、
応援してくれるファンの方も多いので、
なんとかこのGIは勝ちたいです。
いや、勝たなければいけないと思っています。
がんばります!
(第2回へ続く)