(取材日=2012年11月21日)
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テイエムオペラオーが引退して、早11年。
たまに会いに行ったりされてるんですか?
- 和田
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一度しか行ってないです。
引退してから2~3年後だったかなぁ。
なかなか北海道に行ける機会がないんでね。
会いに行ったときは、
いきなり噛みつきにきたよ(笑)。
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えっ!? オペラオーのイメージじゃないですね。
- 和田
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いやいや、あの馬、基本的にうるさいもん。
乗ってしまえば、おとなしいんだけどね。
馬房にいるときは、決しておとなしいタイプではなかったよ。
厩務員さんだったらまた別かもしれないけど、
ジョッキーのことなんて覚えてないだろうし。
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今改めて、テイエムオペラオーという馬は、
“ジョッキー・和田竜二”にどんな影響を与えましたか?
- 和田
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ん~、なかなかできない体験をさせてもらって、
精神的にはだいぶ枯れましたけどね。
そういう意味では、
人より早く“おっさん”になった(笑)。
それは、乗り役としてプラスでもあると思うんだけど、
そのぶん、苦しんだ部分もあるから。
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引退後は、精神的にガクッときたそうですね。
そこからまたモチベーションを上げるのは、やはり大変でしたか?
- 和田
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そうですね。
でもそのぶん、この世界の奥の深さがわかった。
自分のやるべきことは、
いくらでもあるんだなって。
オペラオーに乗っていたころは、
自分に何が足りないのかわからなかったし、考える余裕もなかったから。
でも、引退してからいろいろと気づいて、
今はジョッキーとしていい方向に進んでいる手応えがある。
でも、答えはひとつだけじゃないし、終わりもないんだけどね。
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和田さんは、トレーニングなどでも人一倍、
いろいろなことを試したり、取り入れたりされてきたとか。
- 和田
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いろいろやりましたねぇ。
でも最近、何をやってもあんまり関係ないことがわかってきた(笑)。
ただ、馬の動きを研究したことがあってね。
それで、だいぶ自分自身のリズムも変わってきて、
乗り方にも変化が出てきたと思う。
あとはもう、
馬の呼吸に合わせて、馬の最高速が出るように、
技術を磨き続けるだけです。
これはもう、本当に終わりはない。
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和田さんは本当にストイックですよね。
- 和田
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いや、トップジョッキーは、みんな同じことを考えていると思うよ。
外国人ジョッキーだけではなく、
岩田さんにしても祐一にしても、みんなストイックだよ。
若いころはあんまり考えてなかったけど、
今は乗り役にとって大変な時代になってきたなぁと思うから。
さすがに俺も、危機感が出てきたよ。
35歳、まだまだ勉強中です(笑)!
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脂が乗ってくるのはこれからですね!
終わりがないなかでも、なにか具体的に目標などは設定されているんですか?
- 和田
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年間100勝することもそうだけど、
制裁点数がちょっと多いので、フェアプレー賞を狙っていきたいかな。
フェアプレー賞を狙いつつ、100勝できるのがベストだね。
でも、すごく難しいんだよ。
それができている人は、本当にすごいと思う。
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たくさん勝つということは、
それだけ一か八かのシーンも多いということですものね。
- 和田
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そうそう。
でも、冷静ならいけると思うんですけどね。
やっぱり、制裁をもらうときは、
あとから考えると冷静さを欠いていたり、力が入りすぎたときだから。
でも、
フェアな競馬でたくさん勝つというのも、
プロの仕事だと思う。
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話は変わりますが、
和田さんといえば、イベントなどでも仮装したりと、
率先して盛り上げる、“プロの仕事”を見せてくれています。
今後、ファンサービスとして、なにかやってみたいことはありますか?
- 和田
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そっちにきたか(笑)。
ん~、なんやろね。教えてほしいくらいだわ。
誰か俺をプロデュースしてくれないかなぁ。
今まではすべて自己プロデュースだから、限界があります(笑)。
最近、おもしろいことが思いつかない。
結局、一人じゃ何もできないから、
みんなで協力して盛り上げていくのがいいんだろうけど。
年齢的にも、早く〝宴会部長〟を引退したいんだけどね。
ジェネレーションギャップを感じ始めている
今日このごろです(笑)。
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じゃあ、後継者を探さないと!
- 和田
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そうだなぁ。誰でもいいんだけど、みんなやりたくないんちゃう(笑)?
松山弘平あたりが、頑張ってくれてるけどな。
後継者かぁ…。でもみんな、
“そういうジャンル”でジョッキーになったわけじゃないからね(笑)。
あ、俺もかっ!(笑)
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では、当面は和田さんですね(笑)。
- 和田
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そうはいっても、もうね、ネタがないんです!
そういえばこの前、5歳の娘に、俺が黒柳徹子さんに扮装した写真を見せたら、
最初は誰だかわからなかったみたいで笑ってたんだけど、
「俺やで」って言ったら絶句してたわ。
教育上、問題アリやね(笑)。