(取材日=2012年12月20日)
2012年12月16日の阪神12R・3歳1000万下の騎乗を最後に現役引退した渡辺薫彦騎手。
引退を決意した理由や、ナリタトップロードと沖調教師との思い出、
そしてこれからの夢を語っていただきました。第3回では、プライベートにも迫ります!
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19年間の現役生活、おつかれさまでした。
今の率直な気持ちを聞かせてください。
- 渡辺
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ありがとうございます。
無事に終えて、ホッとしたのが一番ですね。
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引退された理由が調教師試験の勉強のためだとおっしゃっていましたが。
- 渡辺
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それだけじゃないんですよ。
最近そればかりを言われるので、ちょっとプレッシャーを感じています(苦笑)
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引退を意識されたのはいつごろですか?
- 渡辺
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以前から考えていたことではあるんですが、
真剣に考え始めたのは夏ごろですね。
それで9月に調教師試験を受けてみたんですが、思った以上にできなくて…。
もう試験会場の雰囲気から違うんですよ。みなさん、ピリピリしていて。
甘くは考えていなかったんですけど、このままではダメだと思って、
勉強に専念しようと思いました。
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厩務員制度改革(厩舎従業員数を1名削減)も
引退の理由のひとつだと聞きました。
その影響で昨年(2011年)から引退される騎手が増えました。
もし、この厩務員制度改革がなければ、現役を続けていたと思いますか?
- 渡辺
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かもしれないですね…。
ただ、厩務員制度のこともありましたが、
所属している沖厩舎の調教助手の枠がたまたま空いたのもありましたし、
持病の腰痛がひどくなったというのもあります。
いろいろなタイミングが合ったというのが
正直なところですね。
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引退のことを誰かに相談しましたか?
- 渡辺
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家族に言い出しづらくて、ずっと、ひとりで考えていました。
(妻に)反対されるかなと思っていたんですが、
意外とあっさり「わかっていたよ」と言ってくれて。
沖先生には、もう何年も前から
「いつかは調教師になりたいです」と言っていたので、
とくに相談はしませんでしたね。
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沖先生からは、調教師になるためのアドバイスはありましたか?
- 渡辺
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角田さんや牧田さんが調教師試験の時に勉強していたノートを、
先生自らが借りてきてくださって。
嫌でも試験の勉強を
しなければならなくなりました(苦笑)。
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引退コメントの中に、
「悔いがないと言えば、嘘になります」とおっしゃっていましたが、
やり残したことがあるとしたら、それはいったい何なのでしょうか?
- 渡辺
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やり残したことというか、
僕にもう少し技術があれば、
ということは常に思っていました。
もっと乗っていたいという気持ちも多少ありましたね。
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現役生活にピリオドを打った夜は、どのように過ごされましたか?
- 渡辺
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子供がいるので、実家でゆっくりと家族と過ごしました。
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引退コメントで「いい思い出も悪い思い出もナリタトップロードが一番です」
とおっしゃっていましたが、その思い出を教えてくださいますか?
- 渡辺
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初めて重賞(99年きさらぎ賞)を勝たせてもらいましたし、
GI(99年菊花賞)も獲らせてもらいました。なかでも
菊花賞でファンの方々に
(渡辺)コールをしていただいたのが、
忘れられない思い出ですね。
辛かったのは、ずっと結果を出せなくて、
嫌でもいろいろな意見が耳に入ってきたことです。
どちらかというと、クラシック戦線の時よりも菊花賞後のほうが、
プレッシャーがきつかったですね。
本当にファンの多い馬でしたよね。
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(第2回へ続く)