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話をリーディングに戻しますが、
実際に(リーディングを)狙えると思ったのはいつごろですか?
- 浜中
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年末です(笑)。
ずっと1位をキープしていたんですが、
12月に入っても獲れるとは思いませんでした。
もちろん、獲りたいという気持ちはありましたよ。
でも、抜かれるだろうな、という気持ちもあったんです。
12月の3週目かな。少し差が開いて、
あと3日間だから「イケるんちゃうかなぁ」って。
それまではホンマに思っていなかったです。
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意外ですね。例年とは違って、
昨年は毎月の勝ち星がコンスタントに10勝を超えていましたから、
もっと早くに意識しているのかと思っていました。
- 浜中
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いつもは秋に外国人騎手が来たり、僕も関東圏に行くことが増えたりして、
いろいろな要素で勝ち星が減っていたんですね。
だから、去年はそこが山場だとは思っていましたよ。
そう思っていたら、東京の重賞を2週連続で勝たせていただいて、
東京だけで8勝することができました。
毎年ブレーキがかかっていたこの時期に勝ち星が落ちなかったのは、
やはり大きかったですね。
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意地の悪い質問をしますが、
JRA賞の最多勝利騎手を獲得したのは岩田騎手、
そして2011年のリーディングジョッキー福永騎手は昨夏にアメリカへ、
また毎年、夏の小倉でリーディングを争っていた川田騎手も、
福永騎手とほぼ同時期にフランスへ遠征しました。
つまり、毎年活躍しているジョッキーが不在の中で、
浜中騎手はリーディングを獲得したと、
思っているファンもいるのではないでしょうか?
- 浜中
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それは僕自身が一番そう思っていますよ。
リーディングジョッキーならGIで活躍して、
もっと目立たないといけない存在でしょうから。
そういった意味では、僕はまだまだ本物ではありません。
(福永)祐一さんや川田先輩がいなかったことで、
リーディングを狙えるチャンスが広がったのも事実です。
ただ、そのチャンスを掴めたのは、大きな自信になりましたし、
今後に向けてプラスになると思うんですよね。
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「今年は全員を負かして真のリーディングジョッキーになってやろう」
というモチベーションにもつながりそうですね。
- 浜中
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そうですね。
600勝を達成した時の川田先輩の
「後輩にリーディングを獲られたので、
自分がその立場に立てるように頑張ります」
といったコメントや、
「今年はお前に絶対に負けない」とおっしゃってくださった岩田さん。
祐一さんからはまだ聞いていないけど、とにかく
先輩方が僕を意識してくれるようになったのは、
本当にうれしいですよね。
僕も意識されるだけの存在になったんだって、実感できますから。
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実際、先輩たちと肩を並べたと思いますか?
- 浜中
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肩を並べたなんてとんでもないですよ。
でも、少しは、近づけたかなとは思います。
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では、彼らに並ぶために
今自分に足りていない部分があるとしたら何でしょうか?
- 浜中
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うーん、騎乗技術もそうですが、一番足りないのは経験でしょうね。
これからキャリアを積んでいくことで、
先輩方に少しずつ近づいていけると思うんです。
ただ、そのキャリアを積むためには、実績を残さないといけない。
実績がなければチャンスも回ってきませんから。
そういう意味では、去年リーディングを獲る、獲らないは
“今後の騎手人生を大きく左右する”、と思っていましたね。
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リーディングを獲ったことで、今年は前年以上にいい馬が集まりそうですね。
現に1月末の時点で、シンザン記念と京都牝馬Sを1番人気で勝ちました。
- 浜中
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重賞で強い馬に乗せていただけるのは、
それだけ僕を評価していただいているということですから、
素直にうれしいですね。
やはり阪神JFの経験が大きいです。
人気馬に騎乗していても、余計なことを考えず、
“強い馬に乗っているんだから、強い競馬をしよう”
と思えるようになりましたから。
年始からいいリズムで競馬ができているので、
この調子が続くように油断せず、より一層気を引き締めていきます。
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今年は本当の意味で真価を問われる年だと思います。
前年のリーディングジョッキーとして、具体的な目標はありますか?
そして、ファンに「今年は自分のここを見てほしい!」と
思うところがあれば教えてください。
- 浜中
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一番の目標は、やはりGIを勝つことですね。
もちろんリーディングも狙います。
ファンの皆さんに見てほしいところは…、僕がGIを勝つところ、かな。
GIでも「浜中が乗るなら馬券を買うか」と
思われるような騎手になりたいです。
取材から1カ月経った2月17日、
浜中騎手は3番人気のグレープブランデーに騎乗し、GI・フェブラリーSを優勝した。
プレゼンターは引退したばかりの安藤勝己元騎手。壇上で浜中騎手に花束を贈呈し
「年の初めにGIを勝つと、あとが楽だし、波に乗っていける」とエールを送った。
名手の言葉通り、今年の浜中騎手は昨年以上に飛躍しそうな予感。
誰もが認めるトップジョッキーになる日はそう遠くないはずだ。
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次回は、彼の知られざるプライベートに迫ります!