入院中は、「佐藤哲三だったら
何とかしてくれると思って馬券を買ってきた」
とか、
「どんな乗り方でもいいから帰ってきてほしい」とか、
たくさんのありがたい言葉が聞こえてきました。
宝塚記念の前にラジオ番組に出演させてもらったんですが、
そのときも「どんな形でもいいので戻って来てほしい」
「哲っちゃんのレースがまた見たい」など、
たくさんの応援メッセージが番組に届いて。
小倉のイベントに出演したときも、温かい言葉をたくさんいただきました。
正直、自分のなかでは“もう復帰は無理だな…”と
覚悟しはじめていた時期ではありましたが、
そういう言葉に触れ、
“やっぱり戻りたい!”と胸が詰まる思いでした。

「こんなに気にかけてくれる人がいるんだ」
「辛いこともあったけど、頑張ってきて良かった」
そんな思いが込み上げてきました。
本当にうれしかった。
今、25年間のジョッキー人生に自信を持てるのは、
最後まで応援してくださった関係者の方はもちろん、
そんなファンの方たちの言葉があったからかもしれません。

正直、ジョッキーという職業に対してはまだまだ未練があります。
本当に魅力的な仕事ですからね。
でも、これからの長い人生を考えたとき、
“ジョッキー・佐藤哲三”だけではなく、
“人間・佐藤哲三”も大事。
そう割り切った今、未練はありつつ、自分のこれからが楽しみでもあります。

僕を応援してくれていた人たちと一緒に馬券を買えたら、
お互いに楽しいと思いませんか?
ふらりと競馬場やウインズに行って、
ファンの人たちと一緒にああでもない、
こうでもないと言いながら、
馬券を買う。
で、勝った負けたと一喜一憂する。
想像しただけでも楽しいなぁって思うんです。
まぁ、実際にそれができるかどうかはわかりませんけどね。
でも、そんなことを考えているのも、本当だったりします。

そういえば、ついこの前、阪急電車に乗って仁川まで行ったんです。
そうしたら、「競馬場まで一緒に行きましょう」と声を掛けてくれた方がいて。
結局、競馬場まで連れて行ってもらいました。
今までは車で通用門から入っていましたから、
駅から入場門までの道がわからないんですよ(笑)。
これからは、そういうところから自分も“競馬”というものを観たいんですよね。
だから、
これからの佐藤哲三は、
どこに出没するかわかりませんよ(笑)。

引退会見のときにもお話しましたが、
もしまた馬に乗れるようになったら、
その時には調教師を目指してみたいという気持ちもあります。
いったん外の世界に出て、たくさんの人と出会い、
いろんなことを吸収したのちに、調教師としてまたトレセンに戻る。
前例はないけど、もしそれが叶ったら、
今までにないおもしろい厩舎が
できるんじゃないかと思っています。
正直、現役時代は“トレセン”という空間が
あまり好きではなかったんですけどね(笑)。
いざ離れてみたら、あの中にいたいと思ったりして……
不思議なものですね。

とはいえ、調教師はあくまで目標。
目標というより、野望に近いかもしれませんね。
当面は、新聞の連載やテレビ・ラジオ等のメディアを通して、
僕なりに競馬界を盛り上げていきたいと思っています。
機会があれば、タップダンスシチーやエスポワールシチーの
今だから話せるよもやま話なども披露できればと思っています。

25年という長い間、
ジョッキー・佐藤哲三を応援してくださって、
本当にありがとうございました。
今度は同じ競馬ファンとして、
競馬場で会いましょう!


佐藤哲三が改めて語る「ファンへの想い」

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